きもの くらち

きものくらちの小牧店ブログ

花菖蒲

今はあまり見かけることもなくなったように思いますが、種もみをまく日、田んぼの水口に、季節の花、木の小枝などを挿し、種もみの残りで作った米を、焼き米にして供える風習があります。

近所の山野でとれる季節の花は、山の神から田の神を降ろすための依代。農家ごとにひっそりと行われ、花の種類は山吹、栗の花、杜若、アヤメなどさまざまです。決して豪華なものではなく、楚々としたものですが、水が引かれたばかりの静かな田んぼに、ポツンと灯る宝石のような花の姿になんともいえない美しさを感じます。

お供えの焼き米やお餅は早々に鳥たちに食べてもらい、秋の収穫物を荒らさないように祈るそうです。

この時期、田んぼや畑の淵に、濃い紫の花菖蒲の姿を見かけます。

スキっとまっすぐな剣のように伸びた葉、薄い大きな花びらが垂れ、他の花とは違う咲き方をしていて、雨が降っているときなどは、紫が更に艶やかに見えるのが小さなころから大好きで、もちろん小さい頃から、浴衣は菖蒲柄と決めていました。今は夏用の名古屋帯の菖蒲柄を探し中。

 

本日は菖蒲の浴衣をご紹介。菖蒲柄は全体に花柄があっても、子供っぽくなく、日本らしく、涼しげで、潔く、上品、美しい印象です。(菖蒲が好きすぎるので、褒めすぎがもしれませんが・・・。)


浴衣  そしてゆめ 綿 白地 / 菖蒲

半巾帯 撫松庵 ポリエステル ボトルグリーン / 漆黒

帯締め 嵐山よしむら クロームオレンジ / アイボリー