きもの くらち

きものくらちの小牧店ブログ

菊花開(きくのはなひらく)

七十二侯では13日から菊花開。

菊の花がさく頃。各地で、菊の展示や菊まつり、品評会が行われます。菊には不老長寿の薬効があるとされ、旧暦9月9日の重陽の節句には、菊の花を酒に浮かべた菊花酒を飲む風習がありました。

平安時代に九月を菊月と呼んで、この頃から、菊文様は邪気を払う長命の象徴として、装束に用いられてきました。

平安時代から鎌倉時代にかけては後鳥羽上皇が菊を好んでご自分の印として愛用し、その後も菊紋を印として継承した天皇がいらしたことから、三十二弁ある十六葉八重表菊の紋が皇室のものとして定着しました。

しかし徳川幕府の葵紋のように厳しい取り締まりがなく菊花紋自体の使用は自由とされたため、一般庶民の間に広く親しまれるようになったのです。江戸時代、菊花が多く意匠化されて図案として用いられ、和菓子や仏具の飾りなど様々なものに使われるようになっています。

実際に、菊が咲くのは10月~11月頃です。
菊が写実的、かつ単独で描かれている場合は菊の咲く季節を先取りして着るのがおすすめです。桜など他の季節を表す花と一緒に描かれた場合や、菊がデザイン化されている場合は通年着ることができます。そして数多くのデザイン化された菊があります。

狢菊(むじなぎく)・・・狢菊とは、菊の花びらを貉(穴熊・たぬき)の毛のように小さく描いた柄です。

むじな菊 日本の伝統文様 イラスト素材 [ 3866324 ] - フォトライブ ...

菊の丸・・・菊の花だけ、もしくは菊の花と葉をともに描きます。
菊だけではなく、松の丸、梅の丸、桜の丸などほかの花の丸と組み合わせることもあります。

粋屋-日本の伝統文様と伝統色 花丸文様

乱菊(らんぎく)・・・乱菊とは菊の長い花びらが乱れて咲いている様子を描いた柄です。
菊の華やかさが大胆にデザインされています。

粋屋-日本の伝統文様と伝統色 菊文様

菊水(きくすい)・・・菊の花に流水を組み合わせた柄で、菊花の宴にちなんだ延命長寿のめでたい文様として愛好されました。

菊水

今回は菊の帯を引き立たせる、無地のお振袖のコーディネイトをしてみました。

白の七宝柄の半襟に帯の菊の青と白から合わせた重ね襟に帯揚げ、帯締めは白でシンプルにまとめました。

最近はシンプルなお振袖も人気です。柄物のお振袖はお振袖から先に選ぶのですが、お気に入りの帯をメインにお振袖の色を選んでも楽しいと思います。