きもの くらち

きものくらちの小牧店ブログ

更紗模様

インドが起源の更紗模様は、15世紀から17世紀の大航海時代に世界各国に広まり、各地で独自の更紗模様が展開していきました。

インドのインド更紗・・・赤が特徴的。インド更紗は幻想的な文様が多い

ジャワ島はジャワ更紗・・・藍主にワックスで防染した蝋纈(ろうけち)染め。藍(あい)、茶褐色、黄色などの植物性染料で、幾何学的、抽象的な模様などを染めたもの。

 

ペルシャのペルシャ更紗・・・自然表現が多く、ヨーロッパからの影響も見られるのが特徴です。イスラムやゾロアスター教の影響により糸杉やペイズリー文様も多用され、間に配置される草花は小ぶりでかわいらしいものが多いです。

 

 

日本の和更紗・・・日本で作られ、独自の花鳥風月を表現した更紗です。室町時代、南蛮船や、紅毛船によってもたらされた更紗は、高級舶来品として大名の間で「古渡り更紗」ト呼ばれ愛好され、とくに茶人の間では「名物裂(めいぶつぎれ)」のひとつとして珍重されました

オランダのオランダ更紗・・・アジア各国の更紗を船で持ち帰ったオランダは、それぞれの特徴を混ぜ合わせ、軽快で華やかな絵画風の更紗を生み出しました。色調も淡い中間色を使って明るく染め、小花模様が多いのが特徴となっています。

フランスのジューイ更紗・・・風景や神話、聖書の物語などを取り入れた絵画的な描写が特徴的。

同じフランスでも、南東部地方のプロヴァンス柄という独自の生地も生まれました。

ひまわりやミモザなど、プロヴァンス地方ならではの柄や、明るい色合いが特徴です。梨の樹の木版に模様を彫り、主に植物系の染料で印刷を行うもので、茜やアネモネのレッド、南仏の青い空と海をイメージするインディゴブルー、それと太陽やひまわりのイエローなどで表現されるのが特徴です。

 

西アフリカで使用されているアフリカンプリントは、インド更紗とそれをもとにしたヨーロッパの機械製更紗、ジャワ更紗(バティック)とそれをもとにヨーロッパで作られた模倣ジャワ更紗がもとになっているのです。

インド更紗が何百年も前に全世界に広まり、各国の文化と融合し、今なお、世界各地で伝承され続けているというのは、とても素晴らしいですね。

今回は更紗模様の浴衣コーディネイトをしてみました。

ミントグリーンのような色に、ろうけつ染めで描いた柄の一部に銀色の色付けを施した、手の込んだ浴衣です。

同じ配色の麻の葉柄の半巾帯を合わせて。帯留はグリーンメノウ石を合わせて。エキゾチックに着こなしてみてはいかがでしょうか。