きもの くらち

きものくらちの小牧店ブログ

玄鳥至(つばめきたる)

七十二侯では、玄鳥至(つばめきたる)

冬の間、暖かい東南アジアの島々で過ごしていたツバメが海を渡って、日本にやってくる頃です。つばめの飛来は、本格的な春と農耕シーズンを表しています。燕は気温に関係なく、日照時間の長さを感知して渡りを開始するため、年によるずれが少ないといわれています。

数千キロもの飛行を続ける燕たちは、渡りのトキを判断し、一羽ずつ、海面すれすれに飛んでくるのだそうです。海想像もつかない数の燕が、単独で、の上を走るように飛んでいるのですね。

燕の飛行には、太陽が重要な役割を果たしています。毎年ほぼ同じ季節に飛び立つので、昼間の太陽の位置から自分の目的地の方向を見定め、陸に近づくと見覚えのある山や川の地形を確認しながら、元の巣へ辿り着くのだそうです。つがいの場合も単独行動で、オスが2.3日早く到着し、メスは後から到着します。オスは先に古巣の無事を確認し、メスを待っているというわけです。いい男で

毎年やってきては、燕は縁起物だから、と言われながらも、糞を落として、少し汚いなあ。と思っていましたが、仕方ないですね。こんなにも大変な思いをしているので、温かく見守らなければ。

 

 

燕の帯留や、帯、着物があれば最高ですが、ないので連想ゲーム的なコーディネイトにしてみました。

燕と一緒に描かれる柄と言えば・・・柳。13世紀の中国で描かれた柳燕図(りゅうえんず)が有名ですが、着物や帯の柄でも燕を描くときには、柳が描かれることがとても多いです。

帯留に燕でもあると良いのですが、なかったので、柳色の帯締め、帯留を合わせて。

柳がくねくねと踊るように描かれたこの生地は夏は浴衣として着用できますが、暑がりの人や、暑い日などには、単衣の着物としても着用できますよ。仕立て上がると妖艶な雰囲気になる事、間違いなしです。

単衣の着物も正式な場では、着用タイミングを守った方がいいと思いますが、普段着としてなら、暑ければ単衣、寒ければ袷の着物を着て、自分に合った体温調節をすればいいですよね。しっかりしている厚手の生地の単衣なら冬でも着ますし、4月でも暑ければ薄手の単衣で良いと思います。

季節や行事に合わせた、色や柄を着こなす楽しさは着物だけのものかもしれません。