きもの くらち

きものくらちの小牧店ブログ

メンズ浴衣コーデ(アイヌ文様)

京都で280年以上続く、帯屋の誉田屋源兵衛。

帯だけではなく、浴衣もとても素敵なんです。

ただの浴衣ではなく、物語がある。というのが一番当てはまる言葉です。

 

今回ご紹介するのは矢羽根網代模様にアイヌの文様の浴衣。

矢羽根模様に編んだ網代(あじろ)を矢羽根網代と言います。

「網」は「あみ」、「代」は「代用する」などの言葉にあるように「かわり」を意味し、 「網代」の名は、魚を捕る為に川に立てた、竹や木を組んだ網状の仕掛けに由来します。

植物を編むという意味において網代の歴史は古く、縄文時代以降の遺跡からは、かご類の一部が発見されています。 また縄文土器の底部には、土器を制作する際に敷物として使っていた網代の編み目跡を見ることができます。身近な素材を編み広げて作る、自在な面積をもつ網代は、人類の生活に欠かせないものであったと考えられます。

そして、肩と裾に描かれたアイヌ文様。

アイヌ民族は日本列島北部周辺、とりわけ北海道の先住民族です。日本語と系統の異なる言語である「アイヌ語」をはじめ、自然界すべての物に魂が宿るとされている「精神文化」、祭りや家庭での行事などに踊られる「古式舞踊」、独特の「文様」による刺繍、木彫り等の工芸など、固有の文化を発展させてきました。古い記録から伝統的な踊りを復活させようと取り組む人たちや、新しいアイヌ音楽を創造する人たちも増えています。

懐かしいようでもあり、新鮮な気もする、特別な魅力を持ったアイヌ文様。その起源や意味について、詳しいことはまだ研究途上にありますが、文様には魔除けの呪力があると信じられていたことはわかっています。アイヌの子供たちは幼い頃から文様を描く練習をし、大きくなると男性は彫刻、女性は刺繍の技術を磨いて生活のあらゆるものにアイヌの伝統文様を施したそうです。

その網代模様にアイヌの柄を配したこの浴衣は、力強さを感じます。

帯はクロコのレザー。かっこいいですよ。

最近は男性が頻繁に浴衣を探しにご来店頂きます。是非、お気軽にお立ち寄りください。