きもの くらち

きものくらちの小牧店ブログ

菜虫化蝶(なむしちょうとなる)

七十二侯では、今日から「菜虫化蝶」。

厳しい冬を越したさなぎが羽化し、美しい蝶へと生まれ変わり、羽ばたく頃です。

着物の柄にも蝶は多く使用され、家紋にも蝶は使用されていますね。

成人式に、お母様たちのお振袖を持ってくるお嬢様方が増えており、蝶々の柄が多く使用されるお振袖が多いと思います。その蝶々が使われている理由として・・・

●健やかな成長を願う

蝶は芋虫からさなぎ、そしてまばゆい蝶へと成長していきます。このような蝶の華やかな変容が、若い女性たちの人生とそのまま重なることを願う意味があり、ちょうど振袖を身にまとう時期の若い女性たちは、進学、就職、結婚といった、大きな人生の岐路に立つときをむかえていることでしょう。この大切な時を悔いなく生きられるように、蝶の力が授けられるようにとの願いが込められています。

●人生の伴侶との円満な家庭を願う

産卵期を迎える前のメスとオスの蝶は二匹で舞っているところをよく目にします。このような仲睦まじい蝶の夫婦に重ねて、夫婦円満を願う吉祥文様としての意味があります。

●未来の人生において華々しい開花を願う

ひらひらと飛び回るさまがいかにも可憐に見える蝶ですが、意外にも「立身出世」の意味があります。蝶の天高く昇っていく様が人生の高みを上ってゆく姿、不死不滅の象徴とあがめられてきました。蝶の文様は戦国武将たちが好んで身に着け、平家の代表紋としても知られています。

これから人生を切り開いていく女性達にも、自由に空をのぼる蝶にあやかってほしいという願いが込められています。

このような願いが込められたものなのです。振袖などのフォーマルな着物の柄には、意味がこめられているのです。自分のお着物の柄も調べてみると面白いと思いますよ。