きもの くらち

きものくらちの小牧店ブログ

2021年成人 お嬢様前撮り撮影会

お母様のお振袖に小物合わせをしていただいたお嬢さま。

藤、蝶、その他たくさんのお花が描かれたお振袖です。

藤の文様・・・平安時代から始まる文様の一つ。藤は繁殖力が強く、他の樹木に絡みながら伸べていくことから長寿、子孫繁栄の象徴とされてきました。藤の花は、他の多くの花が上向きに咲くのに対し、下向きに花穂が垂れ下がります。このことから、描かれた藤の花は天と大地をつなぐものであり、神や仏が地上に降臨する時の雲を意味すると言われています。文様の世界でも「ふじ=不二・不死」につながることから、江戸時代にも再び藤ブームが来ています。

花言葉は「あなたを歓迎します」です。パーティーなどでお客様を迎えるとき、愛しい男性と会うときなどに、藤の文様の着物や帯は格式があるだけでなく、ロマンがあり素敵だと思います。

 

蝶の文様・・・姿形が優美で愛らしさがあることから、蝶の文様は平安時代中期以降から見られるようになります。やはり昔から、蝶のような美しい生き物は沢山の人を目を魅了してきたんですね。だからこそ、着物にも描かれる用になったのだと思います。

蝶が卵から幼虫、さなぎを経て美しい蝶となって舞い上がる様が不死不滅の象徴だとされとことです。
このことから、長生きできますようにという意味を込めてこのような文様は使われ出したとも言われています。その証拠に常に死と隣り合わせである武士の方たちの紋章としても蝶は使用されていました。
長寿、子孫繁栄、歓迎、不死不滅、の意味がある、藤と蝶。結婚式、パーティー、祖父母の誕生日などの記念日にもお振袖を着て頂けると喜んで頂けると思います。

振袖の裾部分のターコイズブルーを重ね襟と帯揚げに合わせて、全体にターコイズブルーを組み合わせたコーディネイトにしていただきました。

 

 

こちらのお嬢さまも、お母様のお振袖に小物合わせをしていただきました。

流水に鴛鴦(おしどり)、杜若(かきつばた)の模様です。

鴛鴦文様・・・現在でも「おしどり夫婦」という言葉が使われるほど有名な鳥です。
その言葉どおりオスとメスが仲良く寄り添う姿から、夫婦円満の意味がふくまれています。
桃山時代から着物や帯の柄に盛んに使用され、現代でもなじみのある柄のひとつです。
鴛鴦の柄の種類は2羽にこだわらず1羽からグループで描かれていますが、祝儀に欠かせない柄として振袖や留袖にも使われます。
季節にもこだわらない柄なため、鳥をモチーフにしたものの中でも、一年中着用できる柄です。

杜若文様・・・平安時代のはじめにつくられた「伊勢物語」の場面に登場する、在原業平の杜若の描写はたいへん有名です。都にて身分の異なる女性に恋し、破れた男が仲間とともに新天地を求めて東国へ下る旅の途中で、
三河の国にある八橋の沢を通ると杜若が咲き誇るようにいたるところで花を広げていました。

男は、その美しい光景を目にして、旅愁にかられ、遠く離れた都を懐かしみ、
「唐衣着つつなれにし妻しあれば はるばる来ぬる旅をしぞ思ふ」
(着馴れた唐衣のように添い馴れた妻が都にいるからこそ、はるばるきた旅路に思いを馳せる。)
と詠います。

結婚式に出るにも相応しいお振袖の文様ですね!是非、いずれは、ご友人、親類の結婚式にお振袖姿で出席していただきたいお着物です。

ターコイズと黒、黄色、紫と裾のデザインから抜き取った色合いで、小物をコーディネイトしていただきました。現代風に生まれ変わったお振袖姿、とっても素敵です。


 

フォーマルのお着物には特に意味が込められた文様が多いです。お好きな柄を選んで頂く事はもちろんですが、意味合いを知ると更に素敵な衣装だと知って頂けると思います。お式ごとには是非、お振袖を何回も着用いただきたいものです。