きもの くらち

きものくらちの小牧店ブログ

菖蒲華(あやめはなさく)

七十二侯では、今は菖蒲華(あやめはなさく)アヤメが花を咲かせる頃。アヤメが咲くと、梅雨到来といわれていました。

アヤメ、ハナショウブ、カキツバタはよく似ており、非常に見分けがつきにくいですが、最近この見分け方を覚えたのです。というのも・・・

5月に行ったお茶の教室での出来事です。先生が『カキツバタと八橋』のお茶碗でお茶を入れて下さいました。そのときのお茶碗の絵柄がこんな感じでした。

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そこで、これって、杜若?中心部分が黄色いから花菖蒲?となり、先生は八橋といえばカキツバタよね。安城の八橋かきつばた園って有名でしょ・・・。なんだかんだと、お茶の授業より、花、八橋の話で盛り上がり、結局、器の花についての結論が出ず、家に帰り調べたのです。

数日後、私たちの結論は、着物の文様の本にありました。『いずれあやめか、カキツバタ』というように、あやめも、花菖蒲も、杜若、いずれも優れており、優劣がつけられないほど素晴らしいということなので、花姿は花菖蒲に似ていても、八橋と一緒に描かれているものは、杜若になるということでした。そういえば、振袖にも模様がありますが、中央部分が白でもなく、黄色でもなく、カラフルであったり、金色のものが八橋や、水辺ととともに描かれています。

カキツバタが、着物の文様に取り入れられているのは、伊勢物語の業平東下りの八橋を隠れテーマにしているからだそうです。

菖蒲、花菖蒲、杜若、いずれだったにしても美しい立ち姿で、梅雨時の暗い空の下にも映える色。この時期は特に紫色の花が美しく感じます。梅雨も良いものですね。