きものくらちの小牧店ブログ
卒業式の袴
2021.01.12
女学生の制服が本格的に袴に変わっていったのは、今から約130年前の1889(明治22)年頃。
学習院女子部の前身である「華族女学校」創設者の下田歌子によって、股が左右に分かれていない、すとんとしたロングスカート式の「 行灯袴(あんどんばかま)」「女袴」という新しい形の袴が考案されました。
「上流階級の子女が通う学校の制服」として導入され、次第に一般の女学校に広まり、袴=女学生のイメージが定着していったのです。
それにしても、なぜ「袴」が制服として普及していったのか?それは、袴が「優美さ」と「機能性」を兼ね備えた服装だったからなんです!
平安時代には、宮中の高貴な女性のみが袴を着ることができたという歴史もあり、明治時代でもすでに、袴には貴族的なイメージがありました。また、昔ながらの着物に帯というスタイルでは、椅子を使う学校生活や、自転車、歩く、走る等をすると、帯や裾が乱れやすく、学業や運動に支障をきたしていました。
大正、昭和と時代が流れるうちに、制服はセーラー服などに変わっていき、袴は日常社会からは姿を消しましたが、歴史があり、優美な袴は、学校の正式な行事である卒業式の礼装として残り、現代でも根強く支持されています。
日本の伝統的な服装であり、新しい時代を生きる女性の象徴だった「袴」。
例年に比べ、コロナの影響で卒業式の有無が分からず、袴のレンタルに来店される方がまだ少ないですが、写真撮影だけでもとご来店頂く方は増えております。
ご家族の写真も一緒にとって頂く事も出来ますので、是非、一生に一度だけの卒業式に袴を着て頂けたらと思います。
こちらのお写真は、昨年、大学卒業の記念撮影にご来店頂いたご家族様です。